− NO BELiEVE −





第7話  どこかで見ませんでしたか?



「おい。カズキ!」
「なに?」
「先に行ってろ。やっぱ」
「な、何言い出すんだよ」
「なんかなあ。気分的にな」
「いいの?本当に」
「俺はもう先公からは最低なイメージ持ってるかんな。先行ってろ」
「・・・わかったよ。それじゃ、お先に」
「おう」

僕はトイレから出た。
やばい。もう授業が始まっちゃう!

「お待たせ!ヒロちゃん」
「うん。行こう!狭間君。あれ、羽柄野君は?」
「もう先、行ってろって」
「ふーん。じゃ、行こ!」
「オッケー!」

僕達は店を出ると猛ダッシュで学校に戻った。

「はあ、はあ、何とか、まに、あった、ね」
「よかった。でも、羽柄野君が」
「あ、アイツなら、大丈夫、だよ。校舎、違うから、知らないかも、しんない、
けど、あいつ、第一校舎、じゃ一番、の不良、だよ」
「え!ウッソー!」
「アイツ、しょっちゅう、サボってるしね」
「ふーん・・・そうなんだ」
「うん」
「・・・OK。それじゃあね」
「ん。またねー」
「バイバイ」

このマンモス校、北東京都開南第2中学校では校舎が4つもある。
そのうち僕やマサト、レイカがいる校舎は第1校舎。
そしてヒロちゃんや第1校舎にいない中3はみんな第3校舎だ。

僕は校舎に入ってエレベータで5階に上った。

そしてクラスにさっさと戻り、自分の席につきまた眠りについた・・・
なぜだろう。すごい眠かった。


「カズキ、また眠ってる。」

レイカが僕よりも遅く(遅刻ぎりぎり)、にクラスに入った時に始めに発した言葉
がそれだった。そしてそれを聞いて一緒にいたレイカの親友に近い友達、村本・サ
キ・ステイシーがレイカをひやかしたのは言う事はない。サキはそういうやつだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


キーンコーンカーンコーン・・・

「んんーーーー」

終わった終わった。
やっと目がさめたさめた。

「カズキ、よくお前ずーっと寝てられんな」
「まーな。眠いから」
「俺達なんか、寝たくても寝れねえのによ、なあ」
「まあな。カズキは特別だな」

松阪マサヒロ、岸本ヒロシ、その他もろもろ。

「俺達をその他扱いするなよな!!」

てめえら何も話してねえだろ!
何か話さないと小説だからてめえ自身の存在がわからんぞ!

しかたねえ。名前出すか。
泉コウタ、松本ミヤタカ、本間・タカシ・スティーブ、高橋ヤスシ。

「よしよし。これで俺達の存在がわかったというものだ」

はいはい。小説だからただのわけわからん存在にすぎないぞ。
マンガだったらまだマシだったのにな。



・・・それよりなんでみんな僕の机に集まってくるんだ・・・
眠いんだよ。寝かしてくれよ、まったく。

「あっ!」

ちょっと気になる事を思い出して、僕はあたりを見回した。

「そう言えばマサトは?」

僕は聞いた。

「アイツ、まだ帰ってねえぞ」
「アイツどこ行ったんだ?」
「またナンパでもしてんじゃねえか?」
「はは、それ言えてんな」

マサトが帰ってない?
授業ふけてるのか。

「羽柄野マサトくーん!!羽柄野君どこかでみませんでしたかー!」

「ほら」
「まったく最近三日に一回必ず聞くな。浜田のババアの声」
「教育指導として役に立ってねえぜ。あのババア」

「羽柄野くーーん!」

”いくら叫んでもこのバカでかい学校じゃ探知機使わねえと見つかんねえよ。”
毎回そう思ってしまう。

キーンコーンカーンコーン。

「ホームルームとか言ってカッタリィな」
「ホントホント」

こうして集団は僕から去っていった。
僕は一言しかしゃべってないぞ!まったく俺に用がねえならなんでここに集まん
だよまったく・・・。でも、まったく集まんないとなると、それはそれで最悪な
んだろうな。


・・・それじゃ、おやすみなさーい・・・


ガラ!


変態静谷がクラスに入って来た。

「ほら!!!席に座れえ!!!!」

最悪の先公だ。声うるさすぎるぞ!

「羽柄野はどこだ!!」

どこなんでしょう?
誰もそんな質問に答えていない。
それ以前にあいつの話は聞いていない。
ほとんどの人はこっそりと友達と喋っている。

「しかたない。アイツ抜きでホームルームを始めるぞ!」
「気を付け!礼!」

「えーみんなも知ってるとおもうが、10月1日にクラス替えがある」

いっきにクラスがわく。興奮する奴さえも出てくる。

「うそ!」
「マジで?」
「やった!」
「サイアクー」

それぞれ言う事が違う。
みんな実は知らなかったようだ。
僕もこの話題には感心を持った。
つまり、この最悪の変態暴力教師、静谷から離れられるんだ!

やったあ!!!!

僕としては超嬉しいぞ!

「えー、クラス替えといっても君達も知ってると思うが、学力レベル別でこの学校
はクラスを決めている。つまり自分の学力レベルが変わらなければ、クラス替えを
してもほとんど今のクラスと同じ生徒達とまた6ヶ月やっていく訳だ。つまり、成
績さえ変わらなければほとんどスライド式と変わらないという事だ」

はいはい。知ってますよーだ。

「ちなみに知ってるとおもうが、このクラス、3−Aは学力レベル1位のクラスだ」

はいはい・・・・・

あっ!

えっ!ちょっと待って!静谷はどうなるわけ?またうちのクラス担任なの!?

「センセー」
「なんだ?松阪」
「センセは来期も3−Aの担任なんですかぁ?」

松坂!よく質問した!

「残念ながら、来期は私は3−Bの担任になる。3−Aの担任は来期新任の河井
先生だ。クラスが変わらなければ、河井先生をよろしく頼むぞ」

クラスがまたどよめく。

‘絶対に学力下がってはいけない’

それ系の内容の会話が所々でボソボソと聞こえてくる。

「いいなぁ、狭間君は」
「えっ。何?旗本さん」

僕の左前の席の旗本ユリコ。綾波レイの影響かブルー(染めてるのかな)の
ショートカットに赤いカラコンが入ってる。まあまあ男から人気もある。僕に
とってちょっと友達程度の人だ。

「だって狭間君は絶対クラス変わんないもん」
「そんなことないよ」

一応そういっておく。

「だって狭間君、天才じゃん」
「いやいや、そんなこと無いって」

口ではそう言ってても顔が笑ってる(照れてる?)事に僕自身気付いてる。ちょ
っと自慢したいっていう気持ちが少し入ってるのが自分でもわかる。でも自慢は
なんか僕は嫌な気がするんだ。自分を自慢する事は僕は嫌いだ。自慢したい。そ
れが素直な人間の考え、すなわち本能に近いものだ。自慢をする事で相手に自分
は勝った気になる。結構爽快な気分になれる気がする。でも後に待ってるのは相
手が自分に対する嫉妬間。むかつき感。相手の気持ちを考えると、自慢なんかほ
とんどしたくない。相手によってはジョーク的に少しさらりというのはまだ許さ
れるけど、やはり僕は好きじゃない。それだけは絶対的に言える事だ。
ファーストは逆に自慢を良くするタイプだが・・・ファーストは自慢とかしてな
いと我慢できないタイプだ。自分の存在を相手に上に上に見てもらいたいからだ
ろう。要するに少し見栄っ張りという事なんだけど・・・見栄だけじゃないとこ
ろがファーストのすごいところだ。少なくとも僕よりは頭はいいし、人と接する
のも断然ファーストの方が得意。僕なんかよりは、はっきりいってずっといい性
格、いや人格なのかもしれないな・・・


なんか・・・疲れたな・・・なんでだろう。
今日は疲労がたまってる・・・・変だな・・・・・

”フフーン。アタシが変わってあげるわ”
「な、なに?ファースト」
”アンタ、疲れてるんでしょ。アタシが変わってあげるって言ってんのよ!”
「い、いい・・・」
”ほらほら!遠慮しないで♪”



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