− NO BELiEVE −





第5話  禁断の恋愛 一



僕はマサトを探しにいった。どこに行ったのかは大体検討つく。
トイレかゲームコーナーだろう。まず僕はゲームコーナーにいった。

いなかった。

Street Fighter III Second Impactを中一ぐらいの子がしてるだけだった。
次に僕はトイレに向かった。

ぎぃぃぃ

ちょっとかためのドアを開けて呼んでみた。

「おーい!マサト!いる−?」

・・・・・・・

「カズキ?」
「うん、トイレさっきもいってなかった?もう遅刻しちゃうって
ヒロちゃんがいってるんだ」
「うーん、ちとドライカレー入っててな。先に行っててもいいぞ」
「でもそうするとマサトが・・」
「大丈夫だよ俺は。ヒロちゃん巻き添えにしちゃかわいそうだからな」
「いいよ、まってるよ。さっさと出しちゃえよ」
「・・・・・・・ああ」
「・・・・・・・」
「おまえ・・・ヒロエのことすきだろ」

な、なにを急にマサトは言い出すんだ?
マサトは知ってるはずだ。僕が好きなのはユキちゃんだって事が。
僕の恋の真相を知る数少ない人間だ。

「な、なにいってんだよ。そんなことねーって」
「でもベスト3には入ってるだろ?おめーの中の」

く・・・鋭いやつだ。

「でも、お前はユキちゃんとか言う人だろ」
「ま、まあな・・・」

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友田ユキ、僕の親戚だ。僕の母さんの姉の娘。昔から仲が良かった親戚の一人。
今22歳。僕と7歳違う。多分僕の一番すきな親戚の人。僕がただ一人信じら
れる人。今ならユキちゃんには僕の心の中を見せられる気がする。そして見せ
る時は僕が好きだと告白する時だ。

僕はユキちゃんが好きだ。今年4月に起きた出来事がこの禁断の恋の始まりだ。

僕は2年前の9月に日本にやってきた。その時まで僕には彼女がいた。
北村カレン、日系人だ。日本語はもちろん話せない。僕は日本に行く前に約束
したんだ。

「I MEET'YA IN UCLA WHEN THE TIME KAREN GOES TO UCLA!!」
(カレンがUCLAに行ける時になったらまた会おうね!!)

と。だがその約束は永遠に果たせなくなってしまったのだ。
4月17日だった。僕は偽テレを使ってカレンの家に国際電話をした。
だがいつもは、カレンが出るケータイをカレンの姉が出た。

「Hello? Is Karen here?」
「.....Who is it?」
「I'm Kazuki」
「Oh....Kazuki, Karen is... 」
「.....?」
「..... Karen is dead」

始めは冗談だとおもった。でもすぐにそれが冗談ではない事が察知できた。
口調がおもいっきり本気だったからだ。

「Common Lauren. No kiddin' 'n shoot ...」
「..... It is TRUE!!! Karen got killed!! Karen got killed about 15 days
ago!!」
「serious.....?」
「YES!! I ain't want to talk about her now....... Sorry, I'll hang up the
phone....」

ガチャ

「ありがとうございました、カードをお取り下さい。
ありがとうございました。カードをお取り下さい・・・・・・」

「カァ、カァ・・・カァ・・・・・」

ただ僕は、ウザイ人工の声とカラスの泣き声が聞こえていただけだった。
何もする気力が無かった。気がついたらすでに電灯には明かりがついていた。
電話ボックスの中で固まっていた・・・・・



何もする気力が無かった。

泣く気力もなかった。

凍ってた。まるで雪女が来たみたいに。


− − − − − − − − − − − − − − − − − − − −

やるせない気持ちの中、なんとか家に戻った。

「あ、おかえり。カズ君。」

ユキちゃんだ・・・。

「あれ、おかえりー!」

アヤちゃんもいる。

「ただいま・・・・・」
「あれぇ。カズ君元気ないね」
「そ、そうかな」
「うん」
「・・・・・・疲れたのかな?」

ユキちゃんは心配そうに僕の方を見ていた。それを見て僕はうっすらと苦笑いをし、

「だ、大丈夫だよ。うん」
「そう・・・ならいいけどね」
「ちょっと僕の部屋で寝てるよ。多分疲れてるんだよ。ご飯になったら起こしてね」
「わかった。おやすみ」
「サンキュー」

何でユキちゃんが家にいるんだろう、なんて疑問は微塵にもあの時は思わなかった。
ただただカレンの事だけ考えて、その事実を受け入れようとしたんだが・・・・

僕は階段を登っていった。二階に登るころには涙が廊下にこぼれ落ちていた・・・・
涙が止まらなかった・・・・

何とか自分の部屋に戻った。でも何も変わらなかった。涙が目から溢れ出ている。
何も出来なくなっていた。何もしたくなくなった。ただ泣き崩れていた。

「ねぇアヤ。夕飯どうするの?」
「んー。そうねぇ。今日はユキの好きなものでいいわよ」
「そーねぇ・・・・スパゲッティにでもしようか」
「アンタイタ飯好きねぇ。まえアタシがユキの家行った時はなんだっけ、えーっと
・・・・・」
「なんだっけ?」
「とにかくイタ飯のなんかだったわ」
「そうだったぁ?忘れちゃった」
「おいしければ全て良し!買い物にいきましょ!」
「テレビネットで買っちゃえば」
「あれ高いわよ。スーパーで買ってそのおつりでゲーセンでも行ってプリクラ撮っ
たりするほうがずっといいわ」
「相変わらずね。アヤって」
「フフフ、まあね。もう行こう。もう6:30よ。エアバイだからメットかぶって」
「はいはい」

シューーーーーーーーーーン

・
・
・
・

コンコン。

「カズ君、ご飯だよ」

ユキちゃんだ・・・こんな自分見せられない。

「・・・・・・・・」

何も返事ができない・・・

「カズ君。寝てるの?」

寝てないよ・・・

コンコン。

「ドア、開けるよ」

ちょっとまって!!

それを言いたくても何もする気がしなかった・・・
僕はベッドに倒れて天井を見つめていた。でも天井は良く見えない。
涙が目からまだこぼれ落ちてる。


ガチャ


「カーズ君。ごは・・・」

「・・・・・・・」

「カズ君・・・泣いてるの?」

「・・・・・・・」

僕は答えなかった・・・答える気力が、無いに等しかった。

「どうしたの?なにがあったの?」

やさしそうな声で心配してくれてる。でもなにも言えなかった。
僕は目をつぶった。

「・・・・・・・」

「言いたくないの?」

「・・・・・・うん・・」

嘘だ。本当はすごい言いたいのに!言いたいのに!!
なんで嘘なんか・・・・見栄なんか・・・・

「・・・そう・・・」
「・・・・」
「・・・・・」
「・・・・」
「・・・・ご飯・・・どうするの?」
「食べる」

僕はベットから起き上がるなり、笑いを浮かべて、

「さーて!!飯食べようよ!!ユキちゃん!!」

偽ってる。逃げている・・・
でもユキちゃんに迷惑かけちゃいけない・・・
自分が嫌だった。でもしかたなかった・・・

「大丈夫なの?カズ君」
「ぜーんぜんダイジョーブだよ!!ははは・・・心配させてごめんね!」

嘘・・・気付いてよ・・・
ユキちゃん・・・

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「今日久しぶりだし、ユキとカズキ君、一緒に寝れば?」

ディナー中、アヤちゃんのいきなりの発言。レイカがいたら、もうなにも言えな
い状況になってしまってた。でもレイカは友達と2日後にオープンするデパート
のオープン記念超ビッグセールとか言うのに参加するため、前日から徹夜で並ん
でた。「プラダのバッグが1万なのよ!!」とかオープン1週間前から言ってた
な。アヤちゃんも「行きたいなぁ。でもフレックス今週もうないからなぁ・・・」
っとぶつくさ言ってた。やっぱ女の人ってそういうのにひかれるんだな。

僕ははっきり言うと一緒に寝るのはとても楽しい。ユキちゃんとならなおさらだ。
・・・・・勘違いすんなよ。ただ寝るだけだよ。ただ寝るだけ!!そう、夜おそー
くまで話しながら寝るのが楽しいという事。ま、する事も楽しいのは事実だけど。
そこまで発展したら近親相姦だっつーの。ま、それは中に秘めた野望という事で
・・・・・

でも、はっきり言うと今日は・・・今日だけは・・・一緒にも、寝たくなかった。
カレン・・・昔の恋人が、他界したという、この辛い現実を1日も早く認めて、忘
れたかったから。でも、断ると、ユキちゃんはなんか勘違いしちゃうかもしれない。
どうしよう。くそ・・・このなんか優柔不断入った性格、何とかしてくれ!

「そうね。一緒に寝ようか。カズ君」
「・・うん。久しぶりだもんね」

Damn・・・言っちまった。しかたない・・・・・
情けねえな・・・・・



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