− NO BELiEVE −




第29話  覚醒への道



「・・・・うっ・・くっ・・・」

泣いてる・・・・レイカが僕の前で泣いてるのなんて、初めてみたかもしれない・・・
僕はただ、強く抱きしめることしかできなかった。僕も一緒に泣きたかった。
でも今ここで僕の感情を発散させるより、レイカを落ち着かせた方がいい・・・
そう思ったから・・・・だから僕は、やさしくレイカがいいと言うまで、ずっと
ずっと抱きしめておこう・・・そう思った。

「ふぇ・・・くぅ・・・・」

いっこうにレイカは泣きやむ様子がない・・・・
そのうちに僕も涙を押さえきれなくなり、ついに涙を流してしまう・・・・
だが声には出さない・・・・レイカに余計な心配をさせないために・・・・

”アンタ・・・それでいいの?”
”ファースト・・・”
”アンタは何を考えてるのよ・・・他人のことなんか我慢しててもしかたが無い
じゃない”
”・・・・・いやだよ、他人が不快になることは”
”泣くことは恥ずかしいことじゃない。それがアンタの考えの一つだったと
おもうけど〜?”
”う・・・うう・・・”

「・・・くっ・・・うう・・・・」

僕ももう我慢できなくなり、声をあげるようになる・・・・
そのままお互い抱きしめあって泣いた・・・・

・・・・・・・・・

どれくらい経過したのか・・・気付いたら僕もレイカも泣きやみ、
レイカは泣き付かれて眠りに入っていた。僕は静かにレイカがいつのまにか
握られていた僕の手だけ残した形で体を離れた。


マサヒロは死んだ・・・・もう死んだ・・・自分の意志じゃないのに死んだ・・・
もう会えない・・・一生会えない・・・会えない・・・・・畜生!!!
あいつと初めて会ったのは何だっけ・・・僕がマサトと仲良くなってから・・・
マサトの友達だったんだ・・・で、よくいっしょにバイクのって遊んでた・・・
あいつバイク本当にうまかったもんな・・・

殺してやる・・・マジで生きてたら俺達で殺してやる・・・・
静谷が殺した・・・俺達は何をしたって言うんだ・・・・
適当な理由をつけて暴力を正当化しやがって・・・
大人はみんな汚い・・・僕の母さんも汚かった・・・あのババア、
あの出来事は一生忘れない・・・なにが教育だ、単なるストレスの発散
のくせに・・・こじつけで子供がだませると思うなよ・・・

死んだ・・・チクショウ・・・生きてればいいことある・・・
あいつはそう思ってた・・・生きてれば・・・でも死んだ・・・

・・・・・・・・・・・・

生きてればいいことある・・・でもこんな嫌なことがおきて・・・いいこと
なんかあるのか・・・。僕がいなくなっても・・・だれも関係無いんじゃない
のか・・・。楽しいときがいつまでも続くわけじゃない・・・それはわかってた。
でも・・・・こんな風に破られるなんて最悪だ・・・毎日一日が進まなければ、
こんな状態にはならなかったはず・・・時は残酷。

生きている・・・僕は生きている・・・何で生きてる・・・?
僕が死んであいつが生きればいいのに・・・・身代わりになればよかった・・・
僕が生きてるよりあいつが生きてた方がいい世界になってた、きっと・・・
だれも僕のことなんか好きじゃない・・・意味なんか無い・・・生きてる意味・・・

わからない・・・なにもわからないよ・・・
なにがわかるんだよ・・・なにが・・・

”なにもわからないわよ”
”ファースト・・・”
”私は、ファーストじゃない”
”だれ・・・”
”エスカーテシステムによって作られた・・・あなたの言うシクセスとでも
言えばいいのかしら?”
”6th?!じゃあ・・・フォースやフィフスはだれだよ・・・”
”あら、なにも知らないのね。いるわよ、どこかに”
”・・・・もううるさい!嘘ばっか言うな!”
”いつか出会うでしょうね。その時までに”
”うるさい!わけわからないことばかり言うな!!”
”私はシクセスじゃなくて、アサミ。よろしくね、セカンド・・・いや、カズキ君”
”だれがよろしくだ。消えろ!”
”消せるものなら消してみなさいよ。多重人格のカズキ君。今夜、楽しみにして
もらうわ”
”うるさい!なにが楽しみだ!”
”フフフ・・・今日はお休み”

そう言い残してシクセス・・・いや、アサミは消えた。
そしていつのまにか僕も・・・睡眠に入っていった・・・



続きへのリンク、
(注意:まだ出来上がってない時はエラーになるよ。もちろん)
ホームページに戻る


nobeliv@nettaxi.com